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初心者の方にとって「絞り」という言葉は、シャッタースピードやオートフォーカスという言葉より馴染みが少ないと思います。絞りという操作はレンズを通ってきた光を7~9枚の羽根(幕)で絞って撮像素子に像を結ばせるものです。そのレンズの絞り具合をFという値で表しますが、開放F値(まったく絞らない状態)が小さいほどたくさんの光を取り込むことができ
F5.6よりF1.4の方が明るいレンズと言えます。

「絞る」という操作は、マニュアル撮影や絞り優先モードにおいて、F1.4からF2.8、F4へという風にレンズのF値よりもさらに大きな値へ変化させること、つまり光の量を減らす(暗くする)ことです。暗くなった分はシャッタースピードを遅くして光量を調節(増やす)することになります。

では、なぜこういった「絞る」という操作が必要なのでしょうか。せっかくの明るいレンズを暗くする必要はどこにあるのでしょうか。それは画質の向上と「被写界深度」を大きくするためです。被写界深度とは、被写体に対するピントが合う深度つまり奥行きのようなもので、F値が大きいほどピントが合う距離が長くなります。例えばたくさんの人の集合写真を撮る場合、最前列の人から最後列の人まで、また背後の景色にまでピントを合わせる必要があります。その場合、F1.4やF2.8といった低い値ではだめでF5.6やF8位に絞り込む操作が必要となります。

カメラ任せの撮影でも明るい晴天であればある程度自動的に絞られるので大丈夫な場合が多いですが、曇天や被写体が建物の陰になっている時は、カメラは出来るだけ光量をかせごうとしてシャッタースピードを遅くしたり絞りを開ける(F値を低くする)動作をします。そのため、被写界深度が浅くなってしまいピントは合っているけど全体的になんだかぼんやりした印象の写真が出来てしまいます。

ファインダーの中には撮影に関する情報がたくさん表示されているはずなので、隅々までピントを合わせたい場合などは、Fの値「絞り」を確認するようにして、いくらプログラムモードや全自動撮影であっても、F4以下のような状態であれば思い切って絞り優先モード(ニコンではA、キャノンはAv)にしてF値を高い目に設定するのも一つの方法です。ただし、その時はその分シャッタースピードが遅くなっている事が想定されますので、手ブレの心配がある場合は三脚を使用するかISO感度を補正(上げる)する必要が出てきます。


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